皆さん、こんにちは。NSG安積本校の菅井です。

先日、県立高校入試の合格発表がありました。
この仕事に就いて、中学生の皆さんの年齢よりも長いのに、何度経験しても慣れません。
受験生の皆さん、お疲れ様でした。皆さん、本当によく頑張りました。確かに人によって濃淡はあります。とは言え、「志望校合格」という目標を実現させるための努力は、これまでの人生の中でも他に無かったものだと思います。その「努力」「頑張り」は確実に皆さんの成長に繋がっています!春から始まる新生活、その経験を糧に更なる飛躍を祈念しています。

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3学期の受験生から毎年聞かれる言葉として「1・2年生のとき、もっとしっかり勉強していればよかった」というものがあります。一方で、高い目標を持っているのに、そんな言葉を一言も言わない(思ってない?)人もいます。この差は何なのでしょう?

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私はウン十年前の田舎の中学生です。「みんな見えないところで努力してるんだから、アンタもやりなさい!」と言われても、周りは本当に勉強していない。そんな環境なので、私自身も普段は宿題を済ませたら家庭学習は終了していました。皆さんにエラそうなことは全く言えません・・・。

完全におっさんの発言ですが、「今の中学生(先生も)は大変だなぁ」と本当に思います。当時の部活の顧問の先生はたまに見に来るだけで、練習は自分達だけで行っていました(強い部活は除く)。結果、テニス部なのに、ラケットとボールで野球をする始末・・・。「自主勉」なんかも無かったので、1教科しか宿題が無い日は、5~10分で家庭学習が終わる日も。今よりも時間がゆっくり流れていた気がします。皆さんを見ていると「忙しそうだなぁ」と心から思います。

ただ、この「忙しい」のが問題なのかなと思うことがあります。

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塾の講師の仕事は「授業をする」だけだと思っている人はいませんか?

「クラス設置・時間割の作成」「テスト対策の計画」「テストの日の決定」等の授業に関することから、「備品の購入」「経費の処理」「勤務日時の計算・申請」等の事務的な仕事も行っています。前者は皆さんに関わるもので、後者はルール通りに終わらせなければならないものです。どちらも「やらなくてはならないもの」に変わりはありません。でも、それに向かう「やる気」は正直大きく違います。

「授業に関すること」は「どうすれば皆さんの成績が上がるのか」「どの日時にどの学年を配置すれば、校舎がより良く活用できるか」など、改善が図れるものです。一方で事務的な仕事は、決められたフォームで決められた通りに行わなくては関係する部署に迷惑をかけてしまいます。勝手にいじってはいけないものです。

必然的に事務的な仕事は「ノルマ」になります。
皆さんにとって家庭学習がこの「事務的な仕事」と同じになっていませんか?それどころか「学校の授業」「塾の授業」も同じ状況になっている人はいませんか?

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おそらく「授業は座ってノートをとればいい」「宿題・自主勉は提出すればいい」と潜在的に思っている人は多いと思います。なぜならそれは、私たち大人が「正しい」と認めてきたことだからです。決して皆さんが悪い訳ではありません。

でも「学習」は皆さんの「成長」のために行うものです。「より良くする」ために行われなければならないものです。「今日はこんなことがわかった!」「これができるようになった!」といったことがなければ学習の意義は薄まってしまいます。

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初めの受験生の話に戻します。

「1・2年生の時にもっと勉強していればよかった」という言葉は「志望校合格」という目標が見つかり、自分を「成長させなくてはならない」という自覚が芽生え、「その意識をもっと早くから持っておくべきであった」と気づいたからこその言葉だと思います。

一方で、そのようなことを言わない人は、受験生になる前から「新しいことを知りたい」「この内容を身につけなきゃ」と思って、授業や家庭学習に臨んでいた人たちです。中には1年生から毎日3時間以上家庭学習をしている人もいますが、宿題・自主勉だけで家庭学習を終えている人も多くいます。身につけたいという意識から、授業を聞く姿勢・考える姿勢が変わり、宿題を「分かったか確認するもの」と捉えて(多分、意識してないですが)取り組み、自主勉は自分のためになるものを行う。その積み重ねが受験勉強の「基礎」となっているのです。

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皆さん、本当に忙しい。
でもその「忙しさ」が「ノルマ」による忙しさなのか、「自分の成長」のための忙しさなのかが、先々の違いを生みます。私が中学生の頃は「自分で考えなくてはならない環境」と「時間的な余裕」が今より多かったです。結果「ノルマ」に追われることなく、学ぶことを「楽しめた」のかと思います。

とは言え、「好きなこと」「楽しいこと」以外で「成長しよう!」なんて思いづらい。学習に対してポジティブな感情を持ってもらうことが、我々教育に携わるものの最大の仕事。そう思ってもらえるよう、今後も力を尽くして参ります!